すっかり秋めいてくると、つい口ずさむ和歌があります。

2016年7月3日

「月見れば千々(ちじ)にものこそ悲しけれ わが身ひとつの秋にはあらねど」 大江千里(おおえのちさと)、百人一首の一つ、古今和歌集から採られています。大江千里は在原業平の甥っ子。この歌は、本歌取りと言われているようで、白楽天の「燕子楼(えんしろう)」という詩  燕子楼中霜月夜 秋来只為一人長  (えんしろうちゅうそうげつのよる、あききたってただひとりの  ためにながし=燕子楼で長年一人暮らしていた、死亡した国司の  愛妓が、月の美しい秋寒の夜「残されたわたし一人のため、こう  も秋の夜は長いのか)を本歌として見事に日本の文芸に仕上げています。秋空に浮かぶ月を見ながら、物思いに耽る人は多いでしょうね。僕も若い頃から失恋すると月を見ながら泣いていました・・・ 大江千里(おおえせんり)とはちゃいまっせ。